診察室から、 泣きそうな顔をして出てくる若い女性がいた。 たぶん音大生だろう。 「自分の身に何が起こっているの?」 といった感じなのでしょう。 これからという人には、本当に残酷な現実だ。 私は、長い間音楽と関わり、 喜びも感動もたくさん経験してきました。 だからかどうかは分からないけれど、 肝が据わっているというか、 ドンと構えているところがあります。 自分も同じ病気であることは他人事のように、 この女性のように若い これからという才能をつぶされるのは、 本当に胸が痛む。 泣きたい気持ちも良く分かる。 「必ず完治することを信じてがんばって!」 と、心の中で声をかけた。