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  • 執筆者の写真yoko kobayashi

完治ご報告 頬をつねってみる。

こうやって外の気配を感じながら空を見ていると、dystoniaって一体全体何だったんだろうという思いでいっぱいになる。

10年という月日はとても長かったけれど、きっと

「勘違いするなよ、もうちょっとピアノという楽器に、音楽に、真摯に向き合いなさい。」ということだったのだろう。


頬をつねってみる。

痛い。


今、少々戸惑ってもいる。

本当に完治してしまったのだ。

信じられない、でも現実だ。


今は来年の私の音楽に向けての準備期間中で、一人合宿のようなものだけれど、早くもその7日目にして、完治までの残りの15~20%はなかなか厳しいと思っていたdystoniaによる症状や違和感は全く消えた。


リハビリではなく「練習」に集中でき、曲の手直しや曲作りで日々を送っている。

自分がやりたい音楽を想い、こんなピアノが弾けるようになりたいと思って

一生懸命練習していた音大生の頃に気持ちが戻っていたり、そんな自分に驚きもする。


あの頃は10年先をいつも見てたかな。

20歳の時は、30歳になる頃にはこんなピアノが弾けるように、 30歳になると、40歳になる頃にはこんな表現ができるようになってるかなぁ? そんなことを思いながら毎日努力は欠かさなかった。

でも音大生の頃に気持ちだけ戻っても困るんだよなぁ、親の庇護のもとの学生じゃないんだから笑。


筋肉の緊張と弛緩の塩梅、第一関節、手首の位置、離鍵速度、打鍵の位置、運指、etc. ピアニストだったら無意識に掴めている感覚を少しづつ思い出していく過程が嬉しいと同時に、物凄く懐かしいものに再会している気分でもある。


そしてまだ信じられない現実に呆然とする。


2012年12月musician's dystonia(focal dystonia局所性ジストニア)と診断される。

2022年12月musician's dystonia 完治(脳神経外科手術は選択せず、リハビリ、ボツリヌス菌投与、薬4種服用)


本日をもってdystoniaに関してのHPやSNS等への投稿は終了させていただきます。

dystoniaという単語・疾患名を記することもないと思います。

現在、dystonia と闘っている方々には、本当に希望を捨てないで治癒を目指して進んでいっていただきたいと願っています。

私は、10年間という時間を治療に費やすことができただけでも幸運なのだと思います。


将来を嘱望されたミュージシャンが、dystoniaと診断された時には、子供が生まれたばかりで、子供を育て守るために、音楽の道を断念し他の仕事を選択された方もいることも伺っています。


下手の横好きという言葉がありますが、そんな私でもどうもこの先も続けていくようであります。

どれだけ歳を重ねても、音楽に対して心を弾ませる気持ちを取り戻せていたのは、この10年があったからこそなのだと思います。

今まで温かい励ましの言葉をかけていただいた全ての方に感謝申し上げます。

まだピンときていないところではありますが、完治は難しいとされるdystoniaですが、

その完治は現実のものとなりました。

後どのくらいの音楽人生が在るのか分かりませんが、未来に向かって歩んでいくことが

出来ます。ありがとうございました。









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