手指や唇などが思い通りに動かなくなる脳神経疾患のジストニア。
局所性ジストニアは音楽家やスポーツ選手に多く発症する。
人気デュオ「コブクロ」の小渕健太郎さんなど多くの音楽家を苦しめてきた。
命に関わる病気ではないが、QOL(生活の質)に関わる病気だ。(油原聡子)
薬、注射、手術
国立精神・神経医療研究センター神経内科の坂本崇医師は、
「ジストニアは筋肉が勝手に緊張した結果起こる
異常な姿勢や運動のことです。」と話す。
全身性タイプと局所性タイプがあり、
国内の患者数は約2万人と推計されている。
発症のメカニズムは完全に分かっていないが、
脳の中の運動を命じる回路が異常を起こし、発症するとされる。
音楽家やスポーツ選手は同じ動作を繰り返すことがきっかけで
発症するという。ピアニストの場合、演奏中に指を
意思に反して巻き込んでしまうといった症状がでる。
医療関係者の間でもあまり知られておらず、診断は難しい。
「脳の写真を撮影しても異常が見られないことがほとんど。
自覚をもとに診断します。」と坂本医師。
誘因となる動作をしなければ症状がでないが、
坂本医師は「誘因となる動作をしなければ済むという話ではない。
音楽家の場合、演奏活動に支障が出て、生活が出来なくなってしまう。」と話す。