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音楽家のジストニア:リハビリ日記

治癒


本日、今回が最後かと思っていた治療のため、指定された音楽スタジオへ向かう。

今だから言えることだけれど、治癒に3年半~4年程かかったとはいえ、

ジストニアと診断され完治を目指して苦しんできたことは、

決して無駄ではなかったように思う。

指導を受け、がんばってこれたことに感謝。

先生の「治ってますね。小林さんはどう感じますか?」という問いに

「私も88%回復していると思います。」と答える。

先生「残りの12%はどういったところですか?」

その答えを言葉で表現するのは非常に難しいことでした。

4指と5指が内側に屈曲する感じが、実際にそのような症状が出なくても、

脳のず~っと向こうの方に、なんとな~く残っている感じがあるという表現が一番近いかと思います。

以前にも言われましたが、「ホロヴィッツやチック・コリア等、元々右手小指が屈曲するという奏法の癖がある人がいます。しかし、その指を必要とする時には、瞬時に正しいポジションに持っていくことが出来る。

コントロールできるということは、あくまでも小指が内側に曲がる癖であって、ジストニアではないのです。」

私の場合も、以前にはなかった小指が屈曲するという癖が、音型によって現れる、

そういう癖が付いた、治癒した後に単なる癖が残った、ということでした。

コントロール不能だった頃を思うと、ここまで回復できたこと、十分に満足しています。

建物の窓から見下ろす今日の通りの景色は、決して忘れないだろう。

この喜ばしい状況に、まだピンときていないところがありますが、胸が熱くなり、しばらく目に映る景色を眺めてましたっけ。


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