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感覚トリック

  • 小林洋子ピアノ
  • 2019年8月17日
  • 読了時間: 2分

前回、シューマンはジストニア症状で苦しんでいたと記しました。

私が音大生の頃に聞いた彼の練習の話、当時はナンセンスだと教えられ、私自身もナンセンスだと思っていたこと、今現在は、シューマンの気持ちがとても良く分かる気がしています。

シューマンはもちろん自分がジストニアということなどは、もちろん認識していない。

医者でさえも、果たしてmusician's dystonia という疾患を認識していたか.....?

私が学生時代に伺った話は、シューマンの練習方法は、指の強化のため、天井から吊るした糸(紐?)で不都合な指を持ち上げ、今でいう「感覚トリック」を使って練習をしていたということ。

指強化のための練習とすれば正にナンセンスな話です。

ところが、ジストニア症状を改善しようとするためのリハビリテーションだとしたら、それは現在の書物に記されている内容と同じなのです。

書物には、とても大変なことになるので、「紐を天井から吊るし~」とはもちろん記してありません。

それようの器具が開発されていたり、輪ゴムを使って簡単に指に作用させることはできます。

要するに紐やゴムでなくても、私の場合は、現在不都合な右手4指を左手で上に突っ張らせて、1235指だけで弾くと、何の違和感もないのです。誠にスムーズ。

ただあくまでも「感覚トリック」というだけあって、紐や輪ゴムを取ってしまえば、また左手を離してしまえば、簡単に元に戻ってしまうのです。

シューマンは、1800年代に、医者も認識していないような疾患の治療法(リハビリ方法)「感覚トリック」を考え付いていたということです。

シューマンの手記より「あぁ神様、私の手をどうされたのですか。」


 
 
 

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