自分の右手
- 小林洋子ピアノ
- 2019年8月19日
- 読了時間: 2分
要するに、1235指だけでバラバラに鍵盤を押し続けている時、
常に4指が自然に鍵盤から離れていれば、何の問題もないということだ。
これが、ジストニアであれば不可能。
私は現在、非常に意識していれば、一定の時間は4指を鍵盤から離していることは、
とても違和感はあるものの、出来るようになっている。
ということは、ある程度治癒しているということだ。
通院期間中はもちろんコントロール不可能、4指だけでなく3指・5指も内側に極端に巻き込んでいた。
現在の不都合は、実際の演奏で、4指から他の指、他の指から4指、などの動きが続いた場合に、
4指で鍵盤を押さえた後、すばやく鍵盤から離す、これができていない。
(このサイトのsoundページには、この4指が頻繁に出てくるオリジナル曲が収められていますが、
数年前までは一小節目だけでも弾くことはできませんでした。現在は極端にゆっくりなテンポにすると、気持ち悪い違和感がありながらも、どうにかメロディーは弾くことが出来る程度です。
非常にゆっくりであっても突っかかることは多々あります。
よって現在は、リハビリ曲と化しています。)
左手は同じ動きをしても何の問題もないのです。
シューマンのように4指を天井から吊っていれば、1235指を使っての動きは何の違和感もなく
スムーズであろうことが優に想像できる。
ところが、シューマンは逆に4指を鍛えようとして、天井から吊るし強く引っ張った状態で、
4指で一生懸命鍵盤を押さえようとしていた、ということになる。
(実際には、シューマンの場合は3指だったようだ。)
私が音大生だったころ、まるで足に重りを付けて走る練習、のようなシューマンの練習方法は、ナンセンスと言われるのは当然だったと言えます。
ただ、本人も知らないジストニアと闘っていたこと、不都合な指を固定すれば、その他の指は何だかスムーズに動くということを感じ取っていたのではないかと、200年も経った今、私が勝手に考えたりする訳です。
音楽史に残る多くの名曲・大曲を残した大作曲家、今ほど医学が進歩していない時代に生き、誰にも理解されないまま、どんなにか辛かっただろうと思うと、胸が絞めつけられる。

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